ニコニコ動画ではすでに動画が6万個。
初音ミクの登場で音楽シーンは大きく変わるかと思った。
こういった新しい音楽シーンには資格もノルマも存在しない。
いくら売れなければ、流行に乗らなければという制約がない。
まさに自由競争でどんな個性も主張し放題だ。
しかし残念ながらそういった中でよい曲に出会うのは容易ではない。
数万曲もあれば無名な曲ははっきりいって塵ほどの存在だ。
何度も聞いて味わいが増すタイプなど聞いてもらえるはずもなく
曲の一部、ワンフレーズでアピールしないといけない。
キャッチなフレーズ、流行のトピックを取り入れないと聞いてもらえない。
でもそれは今の邦楽がはまったジレンマと同じじゃない?
個性に徹するのもニーズを読むのも曲作りとして間違いではない。
個性的な曲を作りたいなら作ればいい。
それだけで満足ならあえて配信する必要もないし、そうしている人も多くいると思う。
どうせなら誰かに聞かせたいし、再生数は少ないよりは多いほうがいいし、
となったときに動画サイトはとても残念な場だといわざるをえない。
一番のジレンマが、競争に勝てる作品を目指すほど没個性になってしまうこと。
商業音楽のプロダクションは入り口は狭いが、その後は個性を出しやすい。
動画サイトからの叩き上げでできた「勝てる音楽」が
そこらの某vexより大衆むけで没個性だったなんてのは悲しい話だ。
また、どうしても個人ワークがメインになってしまうので
作詞レベル、曲レベル、プログラムレベル、さらにはPVを作るスキル
すべて水準を超えられる人もほんの一握りだし
全部を一流にこなせるスーパーマンは
すでにインディーズなどで経験を積み重ねていることが多い。
売れる曲の前提は初音ミクの登場でもなにも変わっていない。
残念ながら初音ミクはシンデレラロードを歩けない。
それを知ってか今日も歌い続ける。